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たのしみは日常のなかにあり

「独楽吟」(どくらくぎん)でパロディ短歌作り



太田 聡美(TOSS北九州教育サークル)

 この時間は、作文指導で言えば「書くことを見つける」指導である。しかし、それに留まらず、曙覧が日常の何でもないことに喜びを見いだし、心豊かに生涯を送ったことに気づかせ、作文の題材探しの幅を広げるヒントにしたい。

第2時の指導

曙覧の和歌を、5首ほどプリントしたものを配る。

○たのしみは 朝おきいでて 昨日まで なかりし花の 咲ける見る時

○ たのしみは 家内五人 五たりが 風だにひかで ありあへる時

○たのしみは 人も訪ひこず 事もなく 心をいれて 書を見る時

○たのしみは すびつのもとに うち倒れ ゆすり起こすも 知らでねし時

○たのしみは 空暖かに うち晴れし 春秋の日に 出でありく時


指示1 橘曙覧の短歌です。自分の読みかたで3回読んだら座ります。全員起立。


座った子から辞書を引いている。


指示2 橘曙覧の短歌を読んでわかったこと、気づいたこと、思ったことをノートに書きなさい。


1つ書けた人から順に言わせる。短歌の意味については、非常に良く理解している。

「ふつうのことを楽しんでいる」「その場面が目に浮かぶようにかいていてうまい」「自分も同じような経験がある」「勉強好きな人」「孤独を愛する人」「読書が好きな人」「家族の健康や平和を愛する人」「ささやかな楽しみを見つける達人」「自分の生き方が気に入っている人」など。


発問1 橘曙覧はどのようなとき、楽しいと感じる人だったのでしょうか。


「自然にふれたとき」「みんなが健康なとき」「本を読むとき」「歩いたり、花を見たりする全てのこと」「静かにだれにもじゃまされないで過ごすとき」など。


発問2 こんな歌なら自分にも作れそうだという人?


手を挙げた子を誉める。


指示3 今から10分でなるべくたくさんの歌を作りなさい。曙覧の歌や友達の作品を参考にしていいですよ。


書けた数を確認して一番いいと思う歌を板書させる。昨日とは、明らかに違う、題材の広がりがある。

身の回りのことに取材する姿勢が見られた。


 橘曙覧の生涯をプリントで簡単に紹介し(出典「たのしみは日常の中にあり−『独楽吟』にまなぶ心の技法」178頁より)、彼が、富裕な家の跡取りとして生まれながら「清貧」の人、すなわち行いが清らかで私欲がなく、そのために貧しく暮らしていた人だと知ると、驚きと感嘆の声が上がった。

(橘曙覧のエピソード)

藩主松平春嶽が、彼の貧しい家を尋ねたとき、机の上に堆く積まれた書物を見て、「かたちはかく貧しくみゆれど、その心のみやびこそいといとしたはしけれ。」と書いた言葉が残っている。「清貧」は、日本人の理想の生き方のひとつである、1994年、6月13日アメリカのクリントン大統領は、天皇・皇后両陛下を迎えてホワイトハウスの歓迎式典で、「独楽吟」の中から、「たのしみは 朝おきいでて 昨日まで なかりし花の 咲ける見る時」を紹介して、日々の感動のすばらしさ を絶賛し日米友好の進展に期待を表した。



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