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−「希望」−

光村図書6年下扉の詩



太田 聡美(翔び梅・北九州 「無法松」サークル)

小学校最後の国語の教科書である。扉の詩はこの教科書に付けられたタイトルと同じ「希望」である。この詩を、伴一孝氏の「詩の授業の原則」(TOSS HITセミナー記録集第6号所収の庄司健一氏論文より)、「ふるさと」(室生犀星・向山型国語教え方教室名古屋会場2003年2月)の授業分析(長崎向山塾26号所収)をもとに授業してみた。


                    

                                 

指示1 自分の読み方で読みなさい。

詩の場合、範読はしない。読み方には教師の解釈が現れてしまうからである。

子どもが読んでいる間、漫然と聞いてはならない。自分自身の読みと比べながら、子どもがどこで読み誤りをしているのか、どういう解釈をしているのかを瞬時に判断し、読み方を分類しなくてはならない。

*下巻であるから「自分で読みなさい」といっても通用するが、1学期なら自分の読み方で2.3回読んだ後に追い読みや交替読みも必要だろう。

*極端に読めない子がいる場合には、隣の子が漢字を教えたり教師がそばにいって小声で読むなどのサポートをするシステムを作っておく。

*姿勢が悪い子は、背中に手を当てて修正する。教科書の持ち方が悪い子は、両手で持たせる。

*1回読むごとに赤鉛筆で題名の横に書かれた○をぬらせる。

指示2 (何人かの子に)読んでご覧なさい。

授業の中で、取り上げる内容について、適合した読み方をしていると思われる子どもを選んで読ませる。

*「誰に読ませるか」を誤ると、指導事項がぼやけてしまう。大げさな芝居じみた読み方をする子を最初に当てると、みんな右へならえをしてしまうことがある。日常指導で、そういう読み方についてきちんと指導しておくことがもちろん大切であるが、クラス内での子ども同士の影響力ということも考慮しておいた方がいい。

*声の大きさや、読む姿勢についての手入れを行いながら読ませると、全体に波及する。

指示3 もう一度読んでご覧なさい。

簡単な読み誤りはなくなっていて、先に読んだ子どもたちの読み方が反映した読み方になっている。

子どもたちが塗った○の数が10を越えるころ全体で1回読ませ、読み方を安定させる。

安定していなければ、2人組での交互読みを入れても良い。

一斉に読むときは、淡々と読ませる。教師は、正しい発音ではっきり読めているかどうか確認する。

発問1 「希望」と「夢」は、同じ意味で使われているのですか?

この詩で、必ず出る疑問が「『希望』という詩なのに、詩の中には『希望』という言葉がない。」というものである。

では、「夢」と「希望」は、同じ意味なのか?そこを確定してやらないと子どもはずっと自分の語彙で考えていくことになり、安定しない。

方法は2つある。

(1)同じかちがうかを予想させ辞書で調べさせる。

希望・・@将来そうなりたい・そうしたいと願うこと。

     A(未来に対する)良い見通し

夢・・・・@眠っている間に実際の出来事のように頭の中にみえるもの。

     A将来こうなるといいと思っている希望。望み。

     B実際にはかないそうもないような望み。

     Cはかないこと。

「夢」は、すぐにAということになるが、「希望」のところで迷う子どもが出てくる。

文例をいくつか並べて確定するといい。

(2)教師が解説し、確定してやる。

(1)と同じことだが、時間がないとき、辞書だけの言葉では確定しにくいときはこちらの方がよい。

今回、わたしは(2)の方法で授業した。

説明1 夢が集まって希望になるのですね。

発問2 「ちがうように」の「ように」は、何ですか?

比喩である。

発問3 それぞれの連で強調されている言葉は何ですか?強調されている言葉の横に線を引きなさい。

第一連 (夢は)ちがう

第二連 光っているだろう

説明2 そうですね。「ちがう」「光っているだろう」ということを強調するためにたとえを使っているのですね。

指示4 ですからそのように読まないといけません。読んでみましょう。

「ちがう」「光っているだろう」を強調した読み方になる。

発問4 この詩の起承転結はどうなっていますか?ノートに書きなさい。

「どこで切れていますか?」という発問はしない。

早い子に発表させる。

だいたい

起 人はみなひとりひとり夢を持っている

承 が、その夢は(それぞれ)ちがう。


ここまでは、みんな同じである。

しかし、「転」については意見が分かれる。

転 だが、地球はたくさんの夢に包まれ

結 シャボン玉のように光っているだろう。


転 だが、人々の夢をみんな集めるとシャボン玉のように地球を包むほどになる。

結 だから地球は光っている。

と、6行目が転になるか結になるかによって違ってくる。

それぞれの主張を述べさせはするが、討論はさせない。

指示5 「地球は光っているだろう」を別の言葉で書き換えなさい。

書けた子から順に読ませる。

・地球に住むわたしたちの未来は光り輝いているだろう。

・地球の未来は、光に包まれている。

発問5 この詩は、希望という題が付いていますが、どういうことをいっているのでしょうか?

「わたしたちが夢を持って生きていくことが、地球の未来に希望をもたらす。

「人がそれぞれ夢を大切にして生きて行くことが、地球の未来を光り輝くものにする。」などという意見が出た。

*書いてないことだが、詩の内容から考えられることでもう一押しする。

指示6 この詩を未来に呼びかけるように読んでみましょう。

時間があれば、暗唱させる。

ここまででほとんどの子どもが覚えているので暗唱は簡単にできる。



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