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読書単元はこう教える(4)

−光村図書4年国語「本の世界を広げよう」−



太田 聡美(翔び梅・北九州 「無法松」サークル)

4年生になると、「物語の読み方の基礎編はマスターした」という前提で、様々なジャンルやシリーズものの入門書的な作品が登場する。「白いぼうし」「あらしのよるに」のように中心人物が共通のもの、「森の新聞シリーズ」「一つの花」のように、テーマがはっきりとしていて、一つのジャンルを構成しているものを紹介して、読みの世界を広げようという意図が伺えるが、紹介されている作品については首を傾げるようなものが多い。このページでは、どんなシリーズがよいのか、シリーズ以外の本はどんなものがよいのか、選ぶ基準は何なのか述べてみたい。

ポイント1 魅力的な中心人物のエピソード集になっているもの。

 普段の行動はどこにでもいる普通の子どもとなんら変わりがないが、巻き込まれる事件が「いかにもありそうだが、ありえない」ことだったり、解決手段がちょっとずれていたために大事件に発展したり、といったものが好まれる。典型は、リンドグレーンの「ロッタちゃん」、「カツレ君」、「長くつしたのピッピ」シリーズ、マリノの「くんちゃん」シリーズ、プロイスラーの「ホッツェンプロッツ」シリーズなどである。1話1話は独立していながら、1冊目からのエピソードを追うにつれ中心人物が成長していくので登場人物の世界で暮らす浦島太郎のような気分が味わえる。

ポイント2 シリーズの登場人物は、ほぼ同じだがテーマによって中心人物が交代するもの。

 「サザエさん」は、話によってカツオが中心人物になったりワカメが中心人物になったりする。肝心のサザエさんが、ほとんど出てこない話さえある。例を挙げれば、やはりリンドグレーンの「やかまし村」シリーズ、「おもしろ荘」シリーズ、クリアリーの「ヘンリー君」「ラモーナ」シリーズである。「くまのプーさん絵本1.2.3集」(岩波書店)や、「ピーターラビット」も、自分で読むならこの時期にシリーズ全体を読破するとよい。

ポイント3 テーマが共通なものがよい。

 4年生になれば、理科では動植物を育て、社会科では身近な地域について調べる活動を経験している。それらの活動の中で図鑑や、ミニ伝記に触れる機会がある。そういった機会を捉えて、科学的な読み物や伝記のうち、身近で理解しやすいものを紹介してやるとよい。

ポイント4 絵本を否定しない。

 お話の本を読み始めると、つい薦める本が「お話の本」だけに偏りがちになる。「絵本は、もう卒業」とばかり、「絵本以外の本を借りなさい」と、強制することもあるようだ。ところが、お話の本をたくさん読むような子は、絵本もたくさん読む。なぜなら、絵本とお話の本とは程度の違いではなく、表現形式の違いだからである。挿絵があった方が、お話の世界に入りやすいテキストと、なまじ挿絵があるとイメージが損なわれるものがあることをきちんと理解しておかねばならない。

ポイント5 ダイジェスト本を持ってこない。

 4年生になると、そろそろ古典的名作にも手が伸びる。しかし、完訳のものはとうてい歯が立たない。そんなとき、ついつい「易しいから」と、手を伸ばしがちになるのがダイジェスト版。ひどいのは「ハイジ」が16ページで終わる。あらすじとも呼べない代物である。検索読みならいざ知らず、読書指導をするつもりならば絶対にやってはいけない。30ページ読んでわからなければ、物語の世界そのものが自力で理解できないに等しいのだ。さっさとあきらめてほかの作品を選ぼう。


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