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読書単元はこう教える(6)

−光村図書6年上「作品と出会う、作者と出会う」−



太田 聡美(翔び梅・北九州 「無法松」サークル)

 いよいよ6年生、学校の図書館にある本はどれでも自由自在に読めるはず。。なのだが、やっぱりそうはいかない。読書の幅を少しでも広げるために、指導しておくべきこと、紹介しておくべき本を取り上げる。


 6年生になると、卒業を常に意識しながら学校のリーダーをつとめることになる。中学生になるまでに、ある程度の心の自立が要求される。この時期には、いろんな時代の様々な人々の人生について教えてくれる伝記やノンフィクションが心の友となる。 

ポイント1 子供が作品を何冊も読んでいる作家を取り上げる。

 読んだこともない作家の話なんて興味を持つわけがない。教科書でいえばケストナーなどは誰も知らないだろう。反対に手塚治虫ならほとんどの子供が知っている。どちらが子供にとって好奇心を刺激するかは言わずもがなであろう。ぜひ、紹介したい作家がいるのなら春から読み聞かせやブックトークを通して多くの作品にふれる機会を作っておきたい。

ポイント2 作家の人生に関するエピソードが、作品に反映されているものがよい。

 ローラ・インガルス・ワイルダーや、アンリ・ファーブルなどは、作家の生い立ちそのものが作品化されたようなものだ。また、ビアトリス・ポターのように、作家が生きていた時代のままに作品の舞台となった場所が保存されている場合もある。教科書では、宮沢賢治が取り上げられているが、「やまなし」や「銀河鉄道の夜」は彼の生涯を知って読むのと知らずに読みのとでは、感想の深みがずいぶん違ってくるだろう。読書単元で学んだことを生かして作品を読んでこそ、発展読書といえるのだ。そのような作品をいくつも用意しておくことが、読書指導を成立させる最低条件である。

ポイント3 作家の生きた時代が反映されている作品がよい。 

 作品にはその時代の社会の風潮が少なからず反映される。かつて、「ピノキオ」に障害者を差別する言葉が書かれていると非難を浴びたことがあるが、それとて、人権意識のきわめて希薄だった時代の名残(時代の限界)なのである。大切なのは、内容的に人を不当におとしめた作品であるかどうかなのだ。人の世はずっと今と同じ価値観であったわけではないことを、作品を通して知らせることも読書指導の大切な側面である

ポイント4  自分では絶対に手に取らないジャンルの読み方を教える。

 図書館の中で、下手をすると1年間ほとんど借り手がないのが1類(哲学・宗教)である。書名としては、神話が中心になる。神話は、それぞれの民族が大切にしている儀式習慣や掟について、その由来とともにものがたりの形式で語りついだものである。歴史的な事実ではないからといって、単なる作り話だと一笑に付してしまうようでは、他民族はおろか日本人としての誇りすら理解できないに違いない。これでは国際理解などとうていおぼつかない。道徳の授業などで、是非取り上げてほしいものである。

ポイント5 検索読書の経験をさせる。 

 1冊全部を読むことも必要だが、調べものをするのに必要なのはむしろ検索読書である。百科事典や広辞苑はもちろん各種の事典・辞典、図鑑、参考書の使い方をあらゆる教科・領域の学習の機会を捉えて行うべきである。著作権に配慮した引用の仕方については、各種ブックレットが刊行されているので常に手元に置いて参照しながら指導することを心がけてほしい。司書教諭は、校内で著作権について尋ねられる機会が多くなるので、きちんと研修を受け正確な知識を持っておくことが肝要である。


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